平成25年度 2級(動物部門) 答え合わせ(2) |
- 日時: 2014/02/19 09:18
- 名前: ごとんべ
- 元スレッドが書込不可のため、こちらに新しいスレッドを立てます。
自然環境研究センターのサイトに、合否の結果と解答が掲載されました。初めて合格基準(65点以上)が公開されたことは評価できます。
元スレッドに書きました解答(案)のうち、次の3問が異なっていました。訂正いたします。 T-16:3→4、U-9:2→1、U-35:3→2。
ところで以上のうち、設問U-9の解答には疑問があります。
問題U-9 環境省の最新のレッドリストで絶滅種とされる陸生哺乳類のうち、1950年以降に絶滅した種数として、正しいものをひとつ選びなさい。
という設問に対し、正答は「1種」とされています。しかし「3種」も正答にすべきと考えます。
環境省第4次レッドリスト(2012)によると、1950年以降に絶滅したとされる陸生哺乳類は、ミヤココキクガシラコウモリ、ニホンカワウソ本州以南亜種、ニホンカワウソ北海道亜種とされています。ミヤココキクガシラコウモリはオキナワコキクガシラコウモリの亜種であり、「種」としてはニホンカワウソ1種が正答というのが、出題者の理屈なのでしょう。 しかし、日本のレッドリストにおいて「動物種」といえば、「種・亜種」を指すというのは今さら説明を要しない約束事です。実際、環境省のサイトにある「環境省レッドリストカテゴリーと判定基準(2013.2)」のp.2(注1)には「種:動物では種及び亜種を示す」と明示されていますし、「レッドリスト種数」といえば(動物では)亜種単位でカウントされているとおりです。 その上、上記の3種(・亜種)は、2012年の見直しで新たに「絶滅種」とされたものです。つまり、レッドリスト種は「種・亜種」を示すという常識を理解しており、さらに、最新のレッドリスト見直しの要点を押さえている人ほど間違えやすい問題と言えます。 種・亜種の違いの理解を問う設問はあって当然ですが、最新のレッドリストと絡めて出題するのは不適切と言わざるをえません。
昨年(2012年)度にも見受けられましたが、勉強している人を引っ掛けるような設問は避けるべきです。 今年度は、例年より比較的まともな問題が多かったように感じられただけに、この設問は残念です。
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