大林組、三菱樹脂、三菱マテリアルは共同で、山岳トンネル施工時に地山の崩壊を防止するために用いる補助工法である注入式長尺鋼管先受工法(AGF工法)において、植物由来の生分解性パイプを使用した環境配慮型の工法を開発。
近年、山岳トンネルの工事において、坑口部や低土被り部など地山の弱層部の崩壊を防止し、施工の安全性を確保するための補助工法として、パイプを打設して薬液を注入することで地盤を固めるAGF工法が広く用いられている。同工法のうち、最近多く採用されている無拡幅方式では、薬液注入のために打設したパイプが坑内に飛び出すため、トンネル掘削時にパイプの切断・撤去が必要となる。従来使用していた鋼管や塩化ビニル管の場合、切断・撤去された端末管の多くは産業廃棄物となっていた。
今回の工法は、切断・撤去される塩化ビニル管を植物由来の生分解性パイプに切り替えることで、より環境に配慮した工法となっている。生分解性パイプは、微生物によって分解される特性を持つため、工事現場内で分解処理を行えば、産業廃棄物の発生を抑えることが可能。